京論壇2015ブログ

北京大学と東京大学の学生による国際学生討論団体・京論壇(きょうろんだん)の活動を報告するブログです

京論壇2015、始動。

みなさんこんにちは。京論壇2015代表の杉山です。

実際には始動してから1ヶ月が経っていますがタイトルというのは楽なものです。時制を省いてよいのをいいことに、「始動しました」ではなく「始動します」のように見せかけてしまう。始動するのが遅かったのはブログであって京論壇自体ではないのに。でも「〜、始動。」って見た目がかっこいいですし、これから何が起きるのだろうとなんだかどきどきさせられませんか。

 

さて本年度の京論壇は、代表の私と副代表3名、議長3名、分科会メンバー各4名×3の計19名で構成されており、北京大生と合わせて38名で議論を築き上げていきます。

本年度設置した分科会はサステナビリティ分科会、階層社会分科会、平和分科会です。日中を語る際には欠かすことのできない議題が揃い、9月の本番セッションでは2週間にわたってアツい議論が繰り広げられることと思います。

 

京論壇2015は「気付く議論 築く未来」を掲げて活動しております。学生が2週間議論をして得られるものは何か。それは「結論」ではなく「経験」だと思います。議論を通じて相手を正しく見つめること、そして相手を鏡として自分を正しく見つめること。相手と自分とを常に行き来する中に「きづき」は隠れているように思います。当たり前のようでいて、こんなに難しいことはありません。だからこそ、この姿勢を常に忘れずに2週間議論することが大きな成果に通ずるのだと思います。

 

先日、昨年度の報告書が完成しました。まだご覧になっていらっしゃらない方はお近くの京論壇メンバーからもらうか、または京論壇のホームページからもダウンロードできますのでぜひ御覧ください。

昨年度の報告書の末尾、次期代表の挨拶で私はこんなことを書いていました。

 

“ネット上で繰り広げられているのは、互いについての決して十分ではない情報量と憶測に基づく言葉の投げ合いです。受け手を想定せずに投げられたぞんざいな言葉は誰かに受け止められることもなく、ただただ蓄積されて山積みになっていくのです。そしてその山があまりにも大きくなった時、日本は中国の姿を正しく見つめることができなくなってしまうのではないでしょうか。”

 

当時はまだ代表になってすぐで、この先の言葉を続けることはできませんでした。しかしそれから半年が経った今、今年の京論壇の活動を見据えながらこう続けたいと思います。

 

積み上がった言葉の山を挟んで向かいあうと相手の姿がよく見えなくなります。そのような状況で互いにキャッチボールをしても、ボールがよく見えずにミットから取り落としたり、山にぶつかってしまったりとなかなか上手くいきません。それどころかボールが落ちれば地震がおき、山にぶつかれば噴火を誘発してしまいます。山から噴き出すもくもくとした灰色の煙は互いの視界をさらに悪くするものです。この悪循環をとめるには噴火口を探し、震源地を探し、少しずつ山を切り崩していくしかありません。

 

本年度の京論壇はそんな議論を目指していきます。互いの不信や疑念を言葉にすること、どういう状況によってそれが生まれているのかを明らかにすること、どうしたら信頼関係を築いていくことができるのかということ、、、大学生の目線から話し合い、少しでも視野を晴らすことができればと思っております。

 

後続のブログでは具体的な議論の準備の紹介をしていきます。

このブログを通して本年度の京論壇の活動を見守っていただければ幸いです。